【解明する】中小企業診断士第1次試験の秘密【企業経営理論編】

 

こんにちは。TADです。

今回は、先日、僕が中小企業診断士試験の企業経営理論に関して、相談された質問をテーマにしたいと思います。

 

受験生

テキストを読むと、理解は出来るのですが、過去問がとても難しく感じます。

やっぱり、実務経験が無いと、難しい科目なんでしょうか?

 

テキストを読んで理解出来るようであれば、適正は十分と思いますが、

過去問が難しく感じることには、理由があると思います。

 

相談者は弱気になっているようなので、企業経営理論の学習について、大事な考え方をお伝えしました。

この記事では、その内容を紹介していきます。

 

この考え方を意識していると、試験問題の見方が変わります。

では、順を追って説明します。

【結論】理解科目と暗記科目があると心得る

中小企業診断士試験には、理解を中心に学習する理解科目と、

 

暗記中心でも対応できる暗記科目があります。

 

まず、これが僕の結論です。

 

で、これが、僕が選定した理解科目と暗記科目の区分けです。

【理解科目】

・企業経営理論

・運営管理

・経営法務

 

【暗記科目】

・経営情報システム

・中小企業経営、中小企業施策

 

【どちらの性格もあるもの】

・財務会計

・経済学、経済政策

まずは、これを前提に学習にとりかかることも良いと思います。

 

では、なぜ、この様な整理(区分け)をしたかの説明をします。

それは、第1次試験と第2次試験の関係性にあります。

第1次試験試験の目的

中小企業診断士試験は、「中小企業支援法」第12条に基づき実施されます。  第1次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要 な学識を有するかどうかを判定することを目的とし、筆記の方法により行います。

出典:中小企業診断協会 第1次試験案内より

これが、第1次試験の目的になります。

 

続いて、令和元年度第2次試験(事例Ⅰ)における出題趣旨です。

令和元年度
「中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ」の出題の趣旨

第 1 問(配点 20 点)  事業再建のための新規事業開発において、経営者が考えるべき戦略的課題に関する分析 力を問う問題である。

第 2 問(配点 20 点)  企業体質および企業風土の形成要因とその関係について、理解力を問う問題である。

第 3 問(配点 20 点)  市場動向とホームページなどを活用した情報戦略の関連性について、理解力を問う問題 である。

第 4 問(配点 20 点)  新規事業の営業力強化にとって必要な意識改革を実践する経営施策について、理解力・ 分析力を問う問題である。

第 5 問(配点 20 点)  組織再編を実施する際の条件に関する分析力を問う問題である。

出典:令和元年度 中小企業診断士第2次試験出題趣旨 中小企業診断協会

この様に、第2次試験は、実際のコンサルティングをシュミレーションさせる試験となっております。

 

その為、第1次試験の企業経営理論においても、戦略策定プロセスの知識について「体系的かつ実践的な理解が出来ているか」を問われるのだと思います。

 

なぜなら、

中小企業診断士は、「中小企業診断士証を手にした時から、即戦力として、国の唯一認めるコンサルタントとして活躍が期待されるから」です。

 

かんたんな具体例で説明します。

例えば、

社長

マーケティングに関してコンサルをお願いします。

という助言を依頼されたとして、

診断士

マーケティングには、4Pというものがあります。それは、

・Product(製品)
・Price(価格)
・Place(流通)
・Promotion(販売促進)

です。

 

と自信満々で助言したら、どうですかね。

 

社長

はぁ?それで?

そんなの、ググればわかるよ。

コンサル選び失敗したなぁ

 

助言された方は、こういう気持ちなってしまいます。

あなたがコンサル受ける立場なら、どうでしょう?

 

実際のコンサルでは、語句の紹介に留まるということはまずありえません。

なので、単に「語句を知っているか、知らないか」という問題は比較的少ないのです。

企業経営理論の出題範囲

企業経営理論の出題は、

・経営戦略論

・組織論

・マーケティング論

の3つからなります。

 

まず、経営戦略論について、しっかりと理解することが基本になります。

なぜなら、経営戦略論が理解出来ないと、組織論やマーケティング論との関係が分らなくなるからです。

 

しっかりと経営戦略論を攻略しましょう。

選択肢を攻略しよう

 

引き続き、経営戦略を例に説明します。理論科目については。選択肢に慣れる=問題に慣れることが重要です。

 

これは、令和元年度企業経営理論問題の第一問です。

第1問 多角化して複数の事業を営む企業の企業ドメインと事業ドメインの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 企業ドメインの決定は、個々の事業の定義を足し合わせるのではなく、外部の 利害関係者との間のさまざまな相互作用の範囲を反映し、事業の定義を見直す契機となる。
イ 企業ドメインの決定は、新規事業進出分野の中心となる顧客セグメント選択の判断に影響し、競争戦略策定の出発点として差別化の基本方針を提供する。
ウ 事業ドメインの決定は、将来手がける事業をどう定義するかの決定であり、日常のオペレーションに直接関連し、全社戦略策定の第一歩として競争戦略に結び 付ける役割を果たす。
エ 事業ドメインの決定は、多角化の広がりの程度を決め、部門横断的な活動や製品・事業分野との関連性とともに、将来の企業のあるべき姿や経営理念を包含している存続領域を示す。
オ 事業ドメインの決定は、特定市場での競争戦略に影響を受け、将来の事業領域の範囲をどう定義するかについて、企業が自らの相互作用の対象として選択した事業ポートフォリオの決定である。
引用:中小企業診断協会HP 令和元年度中小企業診断士第1次試験 企業経営理論問題

ドメインに関する問題ですが、答えは「ア」と推察されます。ちなみに、全体の正答率は56%程度の様です。

※この記事では問題解説が主旨ではないので、解法は割愛します。

 

企業ドメインの覚え方は、

「企業ドメインとは、企業の生存領域であり、活動の範囲や領域のこと」

ですが、これだけ覚えていたのでは解答は導くことは出来ませんよね。

 

この様な出題と選択肢に慣れる為には、何と言っても過去問が重要なのです。

 

ドメインは、頻出用語です。

ポイントは、不正解の選択肢が、なぜ不正解なのかを理解していくことです。

なぜなら、深掘りしていくことで、その用語に関する理解が深まっていくからです。

 

選択肢に慣れるためには、過去問を繰り返し、頻出用語の理解を深掘りしていくのが効果的です。

 

で、過去問で分らないところは、テキスト(教科書)で知識を補完しましょう。

 

経営戦略のプロセスを理解しつつ頻出用語を押さえる

さきほどの「ドメイン」の様に、経営戦略論では重要な用語がいくつか存在します。

重箱の隅をつつくようなレアな用語の難問がメインとして出題されることは考えづらいです。

 

そのため、繰り返しになりますが、頻出用語について理解を深める学習が必要です。

しかし、頻出用語を押さえるにあたって用語のみを覚えて行くのは危険です。

 

用語を覚えるための優先順位をざっくりと説明すると、

・経営戦略プロセス(流れ)を理解する
・用語を覚える
・用語を深掘りする

となります。

 

経営戦略のプロセスを理解しないと、用語の理解に時間がかかるばかりか、

 

断片的な知識となって、結果、問題が解けなくなります。

 

経営戦略のプロセスを理解した上で、問題集を使って頻出用語を重点的に学習していくことが効果的です。

 

タダでさえ、範囲が広い中小企業診断士試験において、優先順位を付けずに勉強することは、「魚のいないポイントで釣りをする回数が増える」ことに等しいです。

 

 

まずは、経営戦略策定のプロセスを意識しながら、問題集を活用して頻出の用語を勉強しましょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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