【解説】中小企業診断士養成課程のメリット・デメリット

こんにちは。TADです。

今日は、中小企業診断士の養成課程についての概要とメリットとデメリットについて説明していきたいと思います。

この記事は、

  • 中小企業診断士養成課程に入ることを検討している方
  • 中小企業診断士2次試験に苦戦している方
  • 中小企業診断士試験の合格率にハードルを感じている方

向けです。

最後まで読むと、中小企業診断士養成課程の全体像のイメージが分かるようになります。

よろしくお願いします。

中小企業診断士の養成課程とは何か

中小企業診断士養成課程について説明する前に、中小企業診断士試験について少し触れたいと思います。

中小企業診断士資格を取得するためには、1次試験、2次試験、実務補修に合格することが必要です。

しかし、この他、中小企業大学校等が実施している中小企業診断士養成課程を修了(卒業)することで取得することも出来ます。

養成課程に入るためには、1次試験に合格し、各養成課程毎が実施している入学試験に合格することが必要です。すべての入学希望者が入れるという訳ではありません。

また、養成課程は1箇所のみで実施している訳ではありません。2020年1月現在では14機関が実施しております。各学校によって募集期間や実施方法に違いがありますので要確認です。

また、このうち、中小企業大学校東京校で実施されるものを「養成課程」と言い、その他の機関で行われるものを「登録養成課程」といいます。

この記事では主に中小企業大学校東京校の養成課程について書いていきます。なので、この記事では養成課程と表記します。

順をおって説明します。

ポイント

・2次試験を受けなくても中小企業診断士資格を取得できる。

・養成課程は1箇所ではない

・各機関によってその実施方法が異なる

中小企業診断士養成課程に入るには

中小企業診断士養成課程に入るためには、「書類審査」「面接」があり、この選考を通った方が入学出来ます。

ちなみに、中小企業大学校第33期生書類審査のテーマについては、以下のとおりです。

当校で養成する中小企業診断士には事業者支援だけでなく、地域・社会における経営解決の役割も期待しています。そこであなたが普段感じている身近な地域・社会の課題を挙げてください。また、事業者支援とともに、地域・社会の課題解決をサポートできる中小企業診断士となるために、投稿において、どのような心構えで、何を学びたいと考えていますか。400字詰め原稿用紙2枚を使って記述して下さい。

引用:中小企業診断士養成課程 第33期生 募集要領

2019年の募集は、年2回になっています。

気になる合格率ですが、一般公開はしていないようです。しかし、それほど高い倍率という程でもないようです。その時の希望者数にもよると思いますが、1倍~3倍と思われます。

希望者は「企業派遣組」と「一般組」の2つの属性に分かれます。(公式的に分かれている訳ではありません)

企業派遣組というのは、保証協会や銀行など企業から派遣されてくる方々で、一般組というのは自分自身で志望してくる方です。

養成課程出身者によれば、養成課程入学選考に不合格になり、再度チャレンジして入った方の割合はクラスに5%程度いるかどうかということです。

1回の希望で入る方が多いようです。1次試験突破のモチベーションアップにもなりますね。

養成課程では何をするのか

中小企業大学校東京校を例に説明します。

2019年第33期のカリキュラムでは、実施期間が2020年3月23日~2020年9月29日までの約6か月になります。

養成課程は大きく分けて、「演習」「実習」に分かれます。

演習

事業計画策定、マーケティング、等について座学とグループワークを中心に行います。まずは、この「演習」から始まります。中小企業大学校では約5回の演習があります。

実習

実際の企業へ出むき、コンサルティングを行って診断報告書を作成します。最終的にプレゼンスキルや課題把握能力、事業計画立案能力などの評価があるので、一生懸命取り組むことが必要です。

中小企業診断士養成課程(登録養成課程)実施機関

  • 中小企業大学校東京校
  • 法政大学
  • 日本生産性本部
  • 株式会社日本マンパワー
  • 名古屋商科大学
  • 中部産業連盟
  • 東海学園
  • 東洋大学
  • 千葉学園
  • 兵庫県立大学
  • 城西大学
  • 福岡県中小企業診断士協会
  • 札幌商工会議所
  • 日本工業大学

中小企業診断士養成課程のメリット

中小企業診断士養成課程のメリットについて説明します。

卒業後は2次試験無しで資格が取得出来る

中小企業診断士の資格を得るには1次試験合格後に2次試験と実務補修に合格しなくてはなりません。

2次試験は合格率が15%程度となっており、1次試験と決定的に違うのは1次試験を突破した猛者の中での試験となるということです。

1次試験の発表から2次試験まで2ヶ月を実質切っていることもあり、対策が難しいのも事実です。

実際、私の周りには1次は受かったけれど、2次でつまづいており、結果、資格を有するに至っていない方も少なくありません。

一方、養成課程を修了(卒業)出来れば、中小企業診断士の資格が取得できます。

これが最大のメリットと言えると思います。

ちなみに、以前は1次試験に合格せずとも公務員や公的機関等の職員は養成課程(当時は1年)を修了できれば資格取得出来た時代もあったのですが、現在は1次試験を突破できなければ養成課程に入ることが出来ません。

実務レベルのスキルが身につく

養成課程は第1次試験の突破者を対象に中小企業診断士を養成することが目的の為、2次試験の勉強はありません。むしろ実践的な学習が多くなります。グループワークにて仮想企業の診断シュミレーションも少なくありません。

ヒアリングから課題抽出、分析、事業計画の立案と実際の事業計画立案のプロセスを練習していきます。

また、プロセスのみならず、ヒアリング手法など具体的なノウハウについても学んでいくので、実務レベルの基礎が身につきます。

企業診断の実践がある

演習に続いて、実践がはじまります。

インストラクターとサブインストラクター、そして4~5名の受講生のチームにて実際の企業に出向いて合同コンサルティングを行います。その期間は約1ケ月程度でリアルにコンサルティングを行います。

コンサルティングは診断報告書といった事業計画書を作成し、対象企業の社長にプレゼンテーションします。この経験が実際に独立した時のコンサルの源となる方も多いようです。

グループでコンサルティングを行うことにより、他の人の考え方や視点も参考になり、議論することで事業計画がさらに熟度を増していきます。

企業診断中はインストラクターの助言をいだだくことになるので、プロの計画づくりが体験できます。

人の出会いがある

養成課程には企業派遣として、さまざまな会社や支援機関の方が同期として入ってきます。クラスは約40名ほどと思います。

若者からシニアまで、さまざまな背景を持った方々が同級生としてコンサルティング技術の習得に励みます。

派遣元の企業は、保証協会、県職員、産業支援センター、銀行、政府系金融機関、民間コンサル会社、商工会議所・商工会などがあります。

もちろん、企業には所属していない独立志向の個人の方も少なくありません。

 

この支援機関職員や独立(起業)予定者との出会いがその後の中小企業診断士としての活動において財産になります。

支援機関毎の仕事内容も聞けますし、卒業後に仕事仲間となることも多いようです。

独立を予定している方には特にメリットがあると思います。

【公開します】中小企業診断士が独立前にやっておくべきこと5つ

中小企業診断士の生情報が入る

講師や同期との交流により、生の情報交換が出来ます。

独立のノウハウや仕事受注のコツ、注意点など有益な情報交換が期待されます。

中小企業診断士養成課程のデメリット

中小企業診断士養成課程のデメリットを伝えたいと思います。

受講料が高額である

現在、中小企業大学校の受講料は公的支援団体等の企業派遣では無く、一般の受講生として2,300,000円(税込)となっております。

その他の経費負担として、実習に伴う費用や入寮に伴う経費(入寮は任意)、生活費がかかります。ざっくり1,000,000円は見ておきたいところです。

修了出来ない場合もある

研修で学んだ内容に関して、水準に達しない場合は退校になる場合もあります。

時間を要する

約半年の研修期間となるため、資格取得まで時間を要します。また、中小企業大学校の養成課程では「働きながら」というのは難しいです。企業派遣の方々は養成課程=業務として派遣される場合が多いようです。

その他

主に中小企業大学校の養成課程についてお伝えしてきましたが、その他の登録養成課程について少し触れます。

中には、夜間の研修を実施しているところもあります。

また、大学における養成課程は中小企業診断士資格とMBAのダブルライセンス獲得も可能なところもあります。

自分自身の条件に合った養成課程を検討することをおすすめします。

中小企業診断士養成課程のまとめ

いかがでしたでしょうか。

以上の様に養成課程はコンサルタントとしての実務を覚えることが体系的に出来ます。

試験勉強と同じで、コンサルティングにも基本、正しい方向性が重要です。

また、人脈もできます。

中小企業診断士になる方法の選択肢の一つとして検討材料としてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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