【中小企業診断士試験】簿記の知識はどの程度必要?【財務・会計】

こんにちは。TADです。

中小企業診断士試験において、財務会計でつまづいている方は多いのでは無いでしょうか?

今日は、財務会計の理解が難しいのは簿記の知識が無いからではないか?

と不安になっている向けです。

 

この記事は、

中小企業診断士試験において、簿記の知識は必須?

 

必要知識は日商簿記何級?

といった悩みを解決することができます。

 

初学者は「簿記の知識が無ければ財務会計の学習のスタートにそもそも立てないのでは無いか?」という不安に直面します。

中小企業診断士試験において、簿記知識は確かに必要です。

この記事を読むと、「簿記知識はどの程度必要か?」という知識のレベル感が分ります。

 

ちなみに僕は、現役の中小企業診断士ですが、日商簿記2級は取得していません。

だけど、財務会計はしっかりと合格点を上回ることが出来ました。

 

順を追って説明していきます。

中小企業診断士試験:なぜ簿記の知識が必要と感じるのか?

財務諸表の構造理解は必須

中小企業診断士試験科目の財務・会計においては財務諸表の問題が柱となるため、

・損益計算書

 

・貸借対照表

 

・キャッシュフロー

構造や性格をしっかり勉強することが必要です。

そのため、日商簿記3級レベルの知識はしっかり身につける必要があると考えます。

 

なぜなら、日商簿記3級は財務諸表を作るプロセスを勉強すると言う点から損益計算書と貸借対照表を理解する基礎の資格になるからです。

勘定科目(買掛金と未払金)などの理解も超絶重要です。

 

また、財務会計の知識は中小企業診断士第2次試験でも必要なものです。

第2次試験では財務諸表から実際に課題を抽出し、課題の解決策を提案する設問があり、応用力の理解と実践力を試されます。

あいまいな理解や解法テクニックなどでは太刀打ちできないのが実情です。

MEMO
財務会計は、あいまいな理解では太刀打ちできない

財務分析は中小企業診断士のお家芸

中小企業診断士はコンサルティングする企業の経営分析には絶対に必要なスキルになります。

さらに、経営分析の中でも財務分析は財務諸表から課題をあぶり出す重要なスキルです。

 

この財務分析は、主に貸借対照表・損益計算書を分析して行っていきます。

このことからも、財務諸表の構造の理解が非情に重要なのです。

MEMO
財務分析は中小企業診断士のお家芸であり、実践で必ず使うスキルのひとつ

簿記3級と簿記2級の違い

日商簿記3級と日商簿記2級の違いについて述べます。

・簿記2級の試験科目は、「商業簿記」「工業簿記」

 

・簿記3級の試験科目は、「商業簿記」

「商業簿記」は、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うためのものです。
「工業簿記」は、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識です。

引用:日本商工会議所 商工会議所の検定試験

つまり、大きな違いとして「工業簿記」が試験範囲にあるか無いかの違いがあります。

工業簿記は、主に製造業(工場)や建設業のコンサルで必要になる知識です。

なので、簿記2級の知識は試験においても、現場においても、最終的には必要な知識となります。

日商簿記2級の資格取得は必要か?

では、続けて簿記2級の知識は中小企業診断士試験においてマストな資格かどうかについて考察していきます。

・日商簿記2級があれば大きなアドバンテージ

 

・しかし、日商簿記3級があれば財務会計の勉強には対応出来る

 

・簿記は財務諸表を作る技法であるのに対し、中小企業診断士は財務諸表を分析するのが仕事

日商簿記2級を持っていれば、財務会計の試験において、スタートラインとして大きなアドバンテージとなることは間違いありません。

なぜなら、製造業の代表される工業簿記の構造(特に原価計算)を理解できるからです。

財務・会計のみならず、運営管理の学習でも大きな武器になるでしょう。

 

では、中小企業診断士の財務会計の勉強を止めて、日商簿記2級の取得を目指すのが良いかと言えば、それは疑問です。

というのも、簿記は財務諸表を作るのが目的であって、中小企業診断士の様に財務諸表を分析するという前提の勉強ではありません。

これが大きな違いです。

 

簿記3級の知識により、財務諸表の基本の構造を理解しているのなら、中小企業診断士財務・会計の>勉強で簿記2級の必要な知識を補完していくことは可能です。

理想は、日商簿記2級を持っているのが理想ですが、日商簿記3級の知識があれば、中小企業診断士試験勉強の財務・会計の勉強に自信を持って取りかかって良いと思います。

MEMO
簿記3級の知識で工業簿記の知識を補完し、試験に挑むことは可能

日商簿記1級の資格取得は必要か?

尚、日商簿記1級の知識も中小企業診断士試験で必要と思われますが、日商簿記1級の試験は、中小企業診断士試験の財務・会計より難しいので、中小企業診断士試験と平行して勉強するのは、おすすめしません。

税理士試験の簿記論に並ぶ難易度です。簿記論より難しいと言う方も少なくありません。

繰り返しですが、簿記は財務諸表をつくるための技法であって、財務諸表を分析していくという中小企業診断士の目的とはやや相違するため、診断士試験の為に、より難易度の高い「作るための技法」に時間を割くのは、熟考の上に取り組む必要がありそうです。

日商簿記3級はおすすめ

日商簿記3級は財務諸表を作るプロセスを理解し、財務諸表の構造を把握するという点ではおすすめです。

僕も、最初は簿記の勉強から始めた訳ですが、簿記は借方・貸方から始まり、聞き慣れない勘定科目があり、最初は理解が難しい部分もありました。簿記知識ゼロでは、理解に時間がかかることも予想されます。

 

これから、中小企業診断士試験の受験を検討している人は、日商簿記3級を取得することも選択肢としては悪くありません。

勉強時間とすれば、約100時間が目安です。

 

日商簿記3級を取得するのは面倒くさく、遠回りに感じるかもしれません。

しかしながら、これが中小企業診断士試験を受けるうえでのメリットとも言えます。

 

中小企業診断士試験は合格するだけでは活躍できません。これはガチです。僕自身が痛感しています。

「会計」はビジネスマンが身につけておくべきスキルの一つで、大げさに言えば世界でも通じるスキルです。

この際、しっかりと学習することにデメリットは無いはずです。

MEMO
会計スキルはビジネスマンのマストスキル

中小企業診断士試験:日商簿記3級は絶対必要か

では、日商簿記3級は絶対必要か?という問いに関して解説していきます。

「初学者は必要、だけど構造が理解できるなら日商にこだわる必要は無い」というのが僕の結論です。

 

なぜなら、今までの説明のとおり、簿記試験の主旨と中小企業診断士試験の主旨とは違いがあることから、資格取得自体は絶対必要ということではありません。

大事なことは、貸借対照表・損益計算書の構造を理解し、課題をあぶりだせるかが出来るかどうかなのです。

MEMO
財務諸表を分析し、課題を抽出できることが必要

 

ちなみに、高校が商業科出身の方なら、全経3級~2級でもOKと思います。日商にこだわることは無いのです。

初心者の方は、少なくとも1冊は財務諸表の読み方の入門編レベルの本を読むことをおすすめします。

 

そういう意味でも、財務諸表は少し時間を確保して、じっくり勉強する科目であると言えます。

逆に、簿記の知識があれば、自信を持ってスタートが切れると思います。

 

・日商簿記2級があれば、中小企業診断士試験においてアドバンテージがある。

 

・でも、日商簿記3級程度の知識があれば学習は可能

 

・全くの簿記の初心者は財務諸表の理解をすすめる工夫が必要。場合によっては日商簿記3級を取得するのも有効。

 

しっかり財務諸表の構造を理解して、試験対策をすすめましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA