中小企業診断士第一次試験【必殺】攻略法

こんにちは。TADです。

この記事は、

・中小企業診断士の第一次試験の科目は何?

 

・中小企業診断士1次試験には科目が多くて最後までやりきれるか不安

 

・中小企業診断士1次試験の攻略法について知りたい

という方向けの記事です。

また、

  • 勉強目安時間
  • 科目の特徴(勉強内容)
  • 平均合格率
  • 合格率の低い科目ランキング

の5つの視点から第1次試験の攻略を考察していきます。

この記事を読むと中小企業診断士1次試験の攻略の糸口が分かります。

攻略の糸口が分かることによって、具体的な対策を立てることが出来るとともに、歩く道が分かってくると試験への不安が和らぎます。

順を追って説明します。

中小企業診断士試験について

中小企業診断士試験は第1次試験、第2次試験、実務補修に合格すると取得となります。

今回は、第1次試験についての記事になります。

中小企業診断士第1次試験科目

第1次試験の科目は以下7科目になります。

  • 経済学、経済政策
  • 財務・会計
  • 運営管理
  • 企業経営理論
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・中小企業政策

中小企業診断士第1次試験方式

試験の方法は多肢選択式による筆記方式

配点

各科目100点

合格基準

(1)第1次試験の合格基準は、総得点の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員が相当と認めた得点比率とします。

(2)科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員が相当と認めた得点比率とします。

科目合格

科目合格の有効期間は約3年間です。

一部の科目だけ合格した場合は、翌年度及び翌々年度の第1次試験を受験する際、受験者からの申請により当該科目が免除され、3年間すべての科目に合格すれば第1次試験合格となり、第2次試験が受験できます。

合格基準・科目合格についての引用:中小企業診断士協会

中小企業診断士試験第1次試験の合格パターン

第1次試験の合格パターンとして、ざっくり説明すると、

  • 7科目で総得点60%以上を取る(40%未満がないことが基準)
  • 3年間ですべての科目に合格する
  • 科目免除の他の科目で総得点60%以上を取る(40%未満がないことが基準)

等があります。

このことから、第1次試験の戦略的な攻略が有効です。

過去5年で見る科目別平均合格率

最初に、過去5年間の科目別平均合格率と合格率の低いランキングについて検討していきます。

科目名 合格率(%)
1 経済学・経済政策 24.1
2 財務・会計 21.5
3 経営情報システム 18.2
4 運営管理 16.8
5 企業経営理論 16.3
6 中小企業施策 12.9
7 経営法務 8.2

※この合格率は、科目合格者のみの数字で、全体合格者は含まれておりません。なお、中小企業診断士協会から公表されている受験者と科目別合格者を元データとして計算しています。

合格率が高いのが経済学・経済政策となっており、次いで財務・会計となっております。

一方、低いのは経営法務と中小企業経営・中小企業政策となっています。

過去5年で見る合格率が低いランキング

次に、過去5年間で見る合格率が低いランキング

年度 科目 合格率(%)
1 平成29年 運営管理 3.1
2 平成30年 経営法務 5.1
3 令和元年 中小企業施策・経営 5.6
4 平成28年 経営法務 6.3
5 平成27年 経営情報システム 6.4
6 平成30年 企業経営理論 7.1
7 平成30年 財務・会計 7.3
8 平成29年 経営法務 8.4
9 平成28年 経営情報システム 8.5
10 平成29年 企業経営理論 9.0

これを見ると、経済学・経済政策を除いた6科目がランクインしています。

1位の平成29年の運営管理の3.1%はさすがに低いなーと感じますが、意外と運営管理はこの年だけのランクインなんですね。

安定して?ランクインを見せているのが経営法務です。平均合格率と併せて考えると、やはり経営法務は「点数が取りづらいな」というイメージが否めないです。

それでは、科目別に過去5年の合格率を見ながら検討していきます。

経済学・経済政策

ポイント

・実務とは少し遠い「THE 学問」という印象の科目

・学習が停滞する科目でもあるので、頑張って乗り切ること

・勉強目安時間:155時間

経済学・経済政策の過去5年間の平均合格率の推移

経済学・経済政策
年度 合格率
令和元年 25.8
平成30年 26.4
平成29年 23.4
平成28年 29.6
平成27年 15.5
平均値 24.1

経済学の内容から、中小企業診断士試験を「難しい」と感じてしまう人が少なくありません。

その理由として、馴染みのない計算式やグラフなどが出てくるからと言う方も多いです。

一方で、平均合格率を見てみると24.1%と決して低い数字ではありません。僕も最初に合格したのはこの科目でした。

経済学で怖いのは、馴染みが無い用語や計算式が多く感じるため、「さらに難しい問題」や「応用問題」が出たらどうしよう?という不安感です。

ある意味、経済学は、中小企業診断士試験を乗り切れるかどうかの「最初の試練」です。

財務・会計

ポイント

・決算書に馴染みが無くてもあきらめないこと

・1箇所に深入りは危険。とりあえず、一通り終わらせよう

・勉強目安時間:200時間

財務・会計の過去5年間の平均合格率の推移

財務・会計
年度 合格率
令和元年 16.3
平成30年 7.3
平成29年 25.7
平成28年 21.6
平成27年 36.9
平均値 21.5

決算書を見たことが無い方は、少し抵抗を感じる科目でもあります。

しかし、この科目は中小企業診断士として、現場でフル活用する科目です。決算書の内容から経営課題を把握するためです。

粛々と一通り終わらせることを目標にしましょう。

中小企業診断士試験の受験者は「財務・会計」が得意な方が多いという訳ではありません。僕も苦手でした。

受験生それぞれ、得手不得手があります。

この科目も、経済学・経済政策と同様21.5%と過去5年間の平均合格率は20%オーバーなので、比較的努力が反映されやすい科目とも言えます。

やればやるほど理解は進むのですが、その反面、深みにはまりやすい科目でもありますので、しっかり時間管理をしながら取り組み、何周かこなしましょう。

企業経営理論

ポイント

・中小企業診断士のメインの科目。とにかく楽しもう。

・実生活や商店街のお店をイメージしながら進めると分かりやすい

・勉強目安時間:150時間

企業経営理論の過去5年間の平均合格率の推移

企業経営理論
年度 合格率
令和元年 19.4
平成30年 7.1
平成29年 9.0
平成28年 29.6
平成27年 16.7
平均値 16.3

企業経営理論は、

  • 企業戦略論
  • 組織論
  • マーケティング論

から構成されています。

企業戦略論は、事業計画策定の為のプロセスや手法を学び、

組織論は、人材をどのように活かし、配分し、戦略の遂行をしていくかということを学び、

マーケティングは、どのように商品・サービスを作り、売っていくかということを学びます。

 

イメージがしやすい科目でもありますが、一方で覚えることが多い科目でもあります。

過去問を中心に問題を解きながら理論と回答パターンを覚えていくのをお薦めします。とにかく好きな科目にして、しっかり勉強しましょう。現場で役に立ちます。

平均合格率については、少し波があります。好きな方が多い科目と言うイメージがありますが、年度によって得点が伸びにくいイメージがありますので、試験において、この科目だけを得点源とする作戦はやや危険です。

運営管理

ポイント

・馴染みが無い人も多いので大丈夫。店舗・工場をイメージして勉強をすること。

・覚えてしまえば得点源にもなりうる

・勉強目安時間:175時間

運営管理の過去5年間の平均合格率の推移

運営管理
年度 合格率(%)
令和元年 22.8
平成30年 25.8
平成29年 3.1
平成28年 11.8
平成27年 20.5
平均値 16.8

運営管理は、店舗・販売管理と生産管理に分かれます。

店舗・販売管理についてはイメージが湧きやすいと思いますが、生産管理は工場勤務が無ければイメージが湧きにくいかもしれません。

私の中小企業診断士の友人も、小売りやメーカー・金融機関の出身者が多く、最初はとっつき難かったという経験談が多いです。

しかし、努力に比例して伸びる科目との意見も多いので、腰を据えて勉強しましょう。

平均合格率は、さすがに平成29年はある意味、特殊値ですが、他は安定した合格率と思います。

また、その年度によって、覚える内容に大きな違いが無いので、安定した勉強が出来ると思います。

現場で知識が活かせる(ソリューション出来る)科目です。企業経営理論が少し抽象的な指導になるのに対して、運営管理は具体的な指摘が出来るので、得意になれば現場でとても重宝されます。

経営情報システム

ポイント

・得意にすれば、合格後のキャリアアップにも繋がり、今後の業務上での重要科目

・暗記で対応が出来るが、模試を受けて当該年度の出題傾向を掴もう

・勉強目安時間:100時間

経営情報システムの過去5年間の平均合格率の推移

経営情報システム
年度 合格率(%)
令和元年 26.6
平成30年 22.9
平成29年 26.6
平成28年 8.5
平成27年 6.4
平均値 18.2

経営情報システムは、今後の業務で重要な科目です。

経営情報システムはITパスポート試験を経験していると非常に有利です。おそらく、アレルギー無く取りかかれると思います。難易度はITパスポート試験よりやや難で、経営よりに傾けた問題も出題される様です。

この科目も得手不得手が受験生によって、はっきりする試験です。

対処法として、イメージが付かないところは、ITパスポート試験のテキストを併用で使うと良いです。僕もそうしました。

経営情報システムのテキストは、中小企業診断士試験用に作られているのに比べ、ITパスポート試験のテキストはパソコン初学者にとっても分かりやすく説明しているものも多いのが理由です。

この試験の合格率も極端です。各年度で難易度の上下があります。

ですので、この科目も勉強時間を計画的に設定して学習することをおすすめします。

暗記が多い科目ですのでイメージを付けながら計画的に努力すれば、基礎知識が付きますが、技術革新も多い分野ですので、模試を受けながら受験年度の傾向をつかみましょう。

経営法務

ポイント

・最近の傾向では事例問題が出題される。思考能力が試されるので慣れ(対策)が必要

・設問数が少なく、配点が高い

・勉強目安時間:120時間

経営法務の過去5年間の平均合格率の推移

経営法務
年度 合格率
令和元年 10.1
平成30年 5.1
平成29年 8.4
平成28年 6.3
平成27年 11.4
平均値 8.2

経営法務は、平均合格率が8.2%と一番低いという結果です。この科目を最後の一科目に残しておくのは非常に危険です。科目合格したら、科目免除申請をお薦めします。(弁護士さんとか、法務はどれだけ難しくても大丈夫!と言う人は別です)

過去5年間で見る合格率が低いランキングでも、最高の3つがランクインです。安定の低空飛行です。

合格率が低いのは、基礎的学習と実務を想定した思考2つを必要とする法律特有の出題となっており、不慣れな方が多いというのも否めません。

僕は、試験対策として思考問題の対策を過去問の回答を参考に繰り返し勉強しました。出題形式に慣れておき、試験上で慌てない様にしましょう。

合格基準の60%以上に届けば、結果オーライですが、届かなくても他の科目の足をひっぱらない点数を取りましょう。抱き合わせ合格も作戦の一つです。

中小企業経営・中小企業政策

ポイント

・当該年度の出題傾向の情報収集が超重要。模試で出題傾向を掴むこと。

・中小企業白書の理解は必須。最近では中小企業に関する法律の改正も確認

・勉強目安時間:100時間

中小企業経営・中小企業政策の過去5年間の平均合格率の推移

中小企業経営・中小企業政策
年度 合格率
令和元年 5.6
平成30年 23.0
平成29年 10.9
平成28年 12.5
平成27年 12.2
平均値 12.9

中小企業経営・中小企業政策の過去5年間の平均合格率は12.9%となっており、この科目も高い合格率とは言えない状況にあります。

この科目の特徴は、情報収集が非情に大事な科目と言えます。僕なら、必ず模試を受けます。実は、僕の時はその年の模試から3問程度が的中した記憶があります。

普通に勉強していたら気づかない数字の問題もありました。

しかも、他の科目は学問という色が強いものもありますが、この科目は「知っているか・知らないか」の要素が強いです。

しかし、個人的にはこの科目は現場で活躍するためには重要な科目です。

私たちは、「中小企業」の「診断士」です。中小企業の特性や国の政策を熟知しておく必要があります。

ぜひ、意識高く、アンテナを高く勉強に取り組みましょう。

まとめ

中小企業診断士第1次試験は各7科目いそれぞれ勉強に取り組むための特徴があります。

過去問が重要な科目や、情報収集が大事な科目、

イメージが重要な科目や、学問らしい科目、

暗記主体の科目や、思考が求められる科目、

などの注意点があり、一律の対応では危険です。

しかし、それぞれの学習に臨む準備が分かれば、勉強を効果的にすすめることができます。

また、合格率等を参考に科目の免除申請をするか、しないかについて戦略的に考えることが出来ます。

参考にしていただいたら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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