宅建に合格すると、すぐに宅建士になれるんじゃないの?
実務経験が無いと、宅建士になれないの?
宅建士に登録する流れは面倒くさい?
といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、そんなに高い壁ではありませんので、ご安心を。
僕は、現役の宅建士ですが、実務経験が無くとも普通に登録出来ています。
この記事では、宅建士になるための登録のプロセスを超絶スッキリと紹介します。
で、体験談も踏まえて書いていきますので、どれぐらいの「手間」なのかが分かると思います。
一応、ちょっぴりの先輩の体験談として(笑)
では、順に説明していきます。
宅建士の登録とは
注意すべきは、宅建試験に合格するだけでは、宅建士の業務を行うことが出来ません。
これは、絶対に注意してください。
とはいえ、やっぱり最大の難関は「宅建試験」に合格することです。
合格すれば、後はルールにのっとって、手続きを粛々と行い、登録するのみです。
では、どのようになったら正式に宅建士として業務が出来るのでしょうか?
それは、「宅建士証の交付」を受けることです。
まずは「合格証書」、次いで「宅建士証の交付」と覚えましょう。
宅地建物取引士の登録要件
宅建士の登録には、二つの要件があります。
①宅地建物取引の実務経験が2年以上あること
②実務経験が無い場合には、国土交通大臣の登録を受けた、宅地または建物の取引に関する実務の講習を修了すること
③国や地方公共団体や、これらの出資によって設立された法人で、宅地や建物の取得業務または処分業務に通算で2年以上従事していた経験があること
みなさんが、心配しているのはおそらく「①及び③の実務経験の有無」ですよね。
僕もそうでした。
なぜなら、実務経験なるものは、すでに宅建業に従事している(就職している)ことが前提になるからです。
だけど、大学生とか主婦、または別業界のサラリーマンなら、これは現実問題として不可能じゃないですか。
それなら、②の「国土交通大臣の登録を受けた、宅地または建物の取引に関する実務の講習を修了すること」を選択すれば良いということになります。
きわめてシンプルな発想でOKです。
実務経験の具体例
宅建士に登録するための具体的な実務経験について具体的に解説します。
簡単に説明すると、宅建業に従事し、重要事項に関係する業務に事実上携わっているか否かによります。
「業務に携わる」とは、重要事項説明は「宅建士」が行うため、宅建士を目指している方及び宅建合格者ではまだ、できません。そのため、重要事項に関する補助や調査などを行っている方を指します。
その「修行期間」を実務経験として捉えると分かり易いです。
なお、実態として重要事項説明や宅建業に関係する業務というルールですので、同じ会社でも社員の給与計算や社会保険計算、経理などは含まれないことに注意です。
また、宅建業に関わらず、他業種でも重要事項に関わる業務に携わっている場合は対象になる場合もあります。
特に、③の「国や地方公共団体や、これらの出資によって設立された法人で、宅地や建物の取得業務または処分業務に通算で2年以上従事していた経験があること」が見落とされがちなので、公務員の方はしっかり確認することをおすすめします。
宅建士登録しないことのデメリット
宅建士に登録しないことのデメリットは、「特になし」と感じています。
心配性の方が、時々いらっしゃいますが、宅建士は欠格要件等に該当しなければ、登録出来る権利は消滅しません。
一番、心配が多いのは、「合格後、一定期間内に登録しなくてはいけないのでは?」という内容です。
宅建士合格は一生有効ですので、いらぬ心配をせずに合格に突き進むことが良いと思いますよ。
ただし、近い未来に宅建業界に就・転職を考えている方は別です。
即戦力としてアピールしたいのなら、さっさと登録した方が良いかもしれません。
僕なら、取得資格欄に宅地建物取引士(登録済)と書きますかね。そうすると、会社側にもやる気をアピール出来て、登録の心配をさせずに済みますし。
宅建士登録の欠格要件
宅建士登録の欠格要件は、常識的に考えれば納得できるものばかりであり、逆に宅建業界で働いていない方にとってはあまり心配しなくても良い内容ばかりです。
欠格要件の簡単なイメージをお伝えします。
・成年被後見人、被保佐人等
・未成年である
・登録条件をクリアしていない
・やらかした
・ずるをした
・暴力団等である
・その他
このイメージをもちつつ、以下の実際の欠格要件を見てみると分かり易いです。
- 成年被後見人、被保佐人、復権を得ていない破産者
- 免許を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者
- 免許取消処分前に廃業し、廃業届から5年を経過しない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などに
- より刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 一定の罰金刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などに
- より刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 免許申請前5年以内に、宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者
- 宅建業に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者
- 事務禁止処分を受け、その禁止期間中に本人の申請により登録の消除がなされ、まだ禁止間が満了していない者
- 宅建業の営業に関し、成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
なので、特に宅建業界に初めて挑戦する方(大学生や主婦など)にとっては、さほどハードルの高い欠格条件ではないと思います。
登録実務講習の実際
まず、登録実務講習を受けるためには、登録実務講習を実施している機関に申しこみをします。
すると、登録実務講習に関する教材が送られてきますので、事前学習を行います。ボリュームが多いと感じるのですが、体系的に学習すればOKです。
宅建試験に様に、細かく対策を立てて学習することは必要ないと思います。
なぜなら、登録実務講習は合格者を振るいにかけて勝ち負けを競う学習ではなく、実務で活躍するために必要な学習であるからです。
腰を据えて、実務をイメージして学習しましょう。けっこう、宅建試験合格者には、すんなり学習出来る内容になっていますよ。
これは、LECの宅建登録実務講習のHPです。金額は15,000~25,000円のレンジが相場です。
引用:LECリーガルマインドHP URL:https://www.lec-jp.com/takken/kouza/jitsumu/
事前学習が終了したら
事前学習の時間は約1か月。これが終了したら演習と修了試験に進みます。
登録実務講習機関によりますが、1日~2日のスクーリングを行い、重要事項説明や契約書の作成演習があり、演習終了後は修了試験にて80%以上の合格で合格となります。
合格率は90強%なので、しっかり学習すれば高確率で試験合格が手に出来ます。
登録はどのように行われるか
実務登録講習が終了したら、宅建試験を受けた都道府県の窓口へ登録申請をします。
簡単でしょ。
まあ、登録実務講習が面倒と最初は感じるかもしれません。
だけど、他の難関資格は2次試験があったり、最終面接(口頭試験)があったりと第2第3のハードルがあるのが当たり前です。
国家試験は、難しくなればなるほどそうです。ゆえに、国家資格には価値があるのです。
登録手続き
登録手続きについては、都道府県の窓口にしっかりと聞きましょう。
おすすめは、登録書類については基本全国一律同じなのですが、書面でしっかりと確認できるものをいただき、一つずつしっかりと用意しましょう。
必要書類は行政窓口に聞きながら用意するのが一番ですよ。
ちなみに、必要書類のリストはこちら。
・登録申請書
・誓約書
・身分証明書(※本籍地の市区町村が発行します。成年被後見人及び被保佐人とみなされる者に該当しない、破産者に該当しないことの証明書です。)
・登記されていないことの証明書(※法務局が発行。成年被後見人及び被保佐人ではないことを証明する証明書です。)
・住民票(申請者本人のもの)
・合格証書(提示用の原本と提出用のコピーの両方)
・顔写真(縦3cm×横2.4cmのカラー写真)
・登録資格を証する書面(実務経験証明書または登録実務講習の修了証)
・従業者証明書(宅地建物取引業者に勤務し、宅地建物取引業に従事している人以外は必要なし)
・印鑑
・登録手数料、37,000円(現金)
必要な費用は、登録料37,000円と書類取得の諸費用になります。
で、登録後は、必ず宅建士証の交付を受けましょう。この宅建士証が無いと、実務に従事できません。
これで、晴れて宅建士となれます。
宅建士資格登録プロセスのおさらい
①宅建合格
②欠格要件の確認
③登録実務講習の受講
④都道府県の窓口に申請
⑤宅建士証の交付を受ける
※原則、登録を受けなくても宅建合格が取り消されることは無い
いかがでしょうか。
繰り返しですが、宅建合格後に宅建士になるのは、いささか煩雑に見えますが、他の国家資格と比べれば2次試験があるわけでもなく、合格期間が付されているわけでもありません。
なので、そんなに負担に感じることはなく、「復習と手続きが必要なんだな~」と僕は思っていました。
そんなに精神的に苦をすることなく宅建士証を手にしました。
なぜなら、、、
宅建に合格すれば、モチベーションが爆上がりして、合格後のハードルはなんなくクリア出来るからです。
「合格した!」という自信はまさに最強です。
まずは、宅建合格に注力しましょう!
おまけ:宅建攻略に強い「真説」通信教育の選び方
「継続」と「論点攻略」は、実は宅建受験者のライフスタイルによって大分変わります。
サライフスタイルとは、サラリーマン、学生、主婦などの生活サイクルとも言えます。みんな、時間に使い方や仕事が違いますよね。
しかしながら、この方々にも共通しているものがあります。
それは、「習慣」です。
通勤電車・キャンパスライフ・家事・・・サラリーマンの毎日のルーティン、大学生・主婦のルーティンは違いますよね。
おのおのの生活の中で「習慣」があり、「習慣」の中でいかに効果的にスキマ時間を使い、勉強時間を確保していくかが、「継続」と「論点攻略」には超絶重要です。
この視点で通信教育を選びましょう。