【比較してみた】中小企業診断士と行政書士【どっちがお薦め?】

こんにちは。TADです。

 

今日は、中小企業診断士と行政書士について比較していきます。

 

質問くん

中小企業診断士と行政書士は、どっちがお薦めなの?

 

といった、とてもシンプルな疑問にあらゆる角度から答えていきます。

 

で、僕が遭遇した、

「ダブルライセンスだと、こんなメリットあるなーー」と、つくづく思ったことを赤裸々にカミングアウトしていきます。

 

では、さっそく紹介していきます。

 

行政書士の業務

行政書士の業務をおおまかに説明すると、役所の書類の作成や提出の代行、その相談を行うことです。

 

行政書士法に基づく国家資格で、官公庁への提出書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成、提出手続、行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続等の代理、作成に伴う相談などに応ずる専門職である。

引用:ウィキペディア

 

役所の書類といってもその種類は10,000以上もあると言われ、守備範囲はとても広いです。

 

行政書士の業務は「独占業務」と言われ、行政書士以外が行政書士の業務を行い、報酬を得ると行政書士法により罰せられます。

 

また、専門的な知識を必要とするもの、煩雑な書類も多いです。許認可などは、法律知識をしっかり持って、知識を応用しながら作成することも必要とされることが多いです。

 

このことから、行政書士は「街の法律家」と言われたりします。

 

少し前になりますが、「カバチタレ」というTVドラマがありましたが、これは、行政書士が主人公のドラマでした。

ただし、街の法律家といっても、弁護士の業務は出来ないことに注意です。

 

中小企業診断士の業務

中小企業診断士は中小企業支援法に基づく国家資格です。

 

国が認める唯一の経営コンサルタント資格であり、その業務は、中小企業の経営課題の解決、経営戦略策定、マーケティングなど経営全般に関するアドバイスを行うことです。

 

いわゆる国公認の「コンサルタント」です。

 

ただし、中小企業診断士には独占業務がありません。

例えば、中小企業診断士以外が中小企業にコンサルを行って報酬を得ても法律に抵触しません。

 

独占業務が無いことが、時に中小企業診断士は食えない資格と言われたりする理由になっているようです。

 

中小企業診断士と行政書士の違いについて

業務の違い

 

紹介したとおり、中小企業診断士と行政書士は、その業務内容に違いがあります。

 

分かりやすく、その業務の違いを大まかにまとめると、

・行政書士は、法律の知見を持って、官公所への書類の作成や代行を行う

 

・中小企業診断士は、経営の知見を持って、中小企業へのコンサルティングを行う

という違いがあります。

 

権利の違い

 

次に、権利の違いを紹介します。

・行政書士は、独占業務を持ち、行政書士以外が、行政書士の業務を行い、報酬を得ると罰則がある。

 

・中小企業診断士は、独占業務を持たず、中小企業診断士以外(中小企業診断士の名称は、もちろん使えません)が、中小企業診断士の業務を行い、報酬を得ても罰則は無い。

独占業務の有る無しが大きな違いの一つです。

 

顧客層の違い

 

次に、顧客層の違いを紹介します。

 

・行政書士は、官公所に提出する書類作成や代行等がメイン業務のため、一般の方すべてが顧客層となる可能性がある。

 

・中小企業診断士は、中小企業に対するコンサルティングがメイン業務のため、中小企業がメインのお客さんとなる。

中小企業診断士は、経営コンサルティングがメイン業務となるため、中小企業が主なお客様となります。

 

課金ポイントはどうか

 

最後に、課金ポイント(報酬が発生するタイミング)を見ていきます。

・行政書士の課金ポイントは、書類作成~書類提出手数料、許認可取得が主な課金ポイント、一部コンサルティングやセミナーもあります。

 

・中小企業診断士の課金ポイントは、コンサルティング、専門家派遣、事業計画策定、セミナーが課金ポイントとなっています。

うーん、課金ポイントの形態は似てますね。中小企業診断士の方が、やや相談に対する課金ポイントがある感じはしますけどね。

 

行政書士の合格率と合格点

 

行政書士の合格率を過去7年間で見てみます。

 

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和元年度 39,821人 4,571人 11.50%
平成30年度 39,105人 4,968人 12.70%
平成29年度 40,449人 6,360人 15.70%
平成28年度 41,053人 4,084人 9.95%
平成27年度 44,366人 5,820人 13.12%
平成26年度 48,869人 4,043人 8.27%
平成25年度 55,436人 5,597人 10.10%

過去7年間のデータでは、11.62%となっています。

 

合格基準点はというと、

行政書士試験センターによると、

 

次の要件のいずれも満たした者を合格とする。

(1)    行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者。(これは、50%以上)

(2)    行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者。(これは、40%以上)

(3)    試験全体の得点が、180点以上(これは、60%以上)である者。

(注)合格基準については、問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることもあります。

 

となっており、合格するためには(1)、(2)について、足切り点をクリアした上で、全体の60%以上の点数を取る必要があります。

 

中小企業診断士の合格率と合格点

 

中小企業診断士試験は、

・第一次試験(多肢選択式試験 7科目)

・第二次試験(論述試験)

・口頭試験

の3つに分かれます。

 

ストレート合格者については、約4%です。

 

なお、各科目の合格率については、こちらの記事で深堀りしていますので、ご覧ください。

 

 

中小企業診断士の第一次試験の合格点(基準)は、「総点数のい60%以上であって、かつ1科目でも40%未満のないこと」が基本となり、各科目60点以上になると、科目合格(翌年と翌々年は申請することにより該当科目は免除)となります。

 

行政書士、中小企業診断士とも、40点未満はアウトで、合格点は60%以上のようですね。

中小企業診断士と行政書士の平均学習時間の比較

 

中小企業診断士と行政書士の合格までの平均学習時間について紹介すると、

・中小企業診断士 1,000~1,200時間

 

・行政書士 500時間~800時間

となっています。

 

平均勉強時間からは、合格まで中小企業診断士の方が時間がかかると考えられています。

また、中小企業診断士合格者の平均受験回数は3回が一番多いボリュームゾーンにようです。

 

 

行政書士と中小企業診断士の平均収入

では、気になる収入について見てみましょう。

 

行政書士と中小企業診断士の平均収入を調べてみると、

・行政書士は、300~600万円

 

・中小企業診断士は、300~700万円(1,000円以上も)

が多いようです。

 

中小企業診断士協会の会員に対するアンケート調査によると、平均は730万円という結果もあります。

中小企業診断士の方が、稼げている方と、そうでない方の差があると感じます。

 

行政書士と中小企業診断士はどっちがおすすめ?

 

大前提として、「自分のキャリアプランにどっちがふさわしいか?」

という視点で考えるべきでしょう。

 

僕の場合、「勉強したいことがはっきりしないけど、何か資格にチャレンジしたい!」と考えた場合は、以下の様に考えると思います。

 

公務員志向なら、行政書士

・仮に、行政書士試験に落ちた場合でも、科目が公務員試験に通じる試験であります。

 

ビジネス志向なら、中小企業診断士

・ビジネス全般について知識を蓄えることが出来ます。中小企業診断士を持っていると、MBA取得者と同様、就職時に評価の対象となる場合が多いようです。

 

とにかく国家資格が欲しいなら、行政書士

・力試しなら、行政書士がおすすめ。1年で勝負が可能というのも魅力です。成功体験があると、さらに他資格へのステップアップのきっかけにもなります。

 

独立志向なら、中小企業診断士

・経営に必要なマーケティングに関する知識を得ることが出来る。自分の経営戦略を練ることが出来ます。

 

一度、事業に失敗した経営経験者が、中小企業診断士を目指すことも少なくないようです。

あわせて読みたい

 

転職志向なら、中小企業診断士

・中小企業診断士は、ビジネス業界で評価が高い。いざという時のセーフティーネットの資格ともなりうる可能性がある。

 

が良いと思います。

 

行政書士と中小企業診断士のダブルライセンス

 

行政書士と中小企業診断士のダブルライセンスは、とても相性の良い組み合わせです。

 

というのも、中小企業の支援の場合、すべての支援をワンストップで出来る(悩みを解決してあげることが出来る)ということは、とても強みになります。

 

中小企業の社長が望んでいることは、価格や質の良いサービスもさることながら、一番は「信頼」がおけるパートナーに相談や作業をして欲しいということです。

 

中小企業診断士はコンサルティングや、事業計画の策定業務は、それだけで完結することだけではありません。

官公所で許認可を受ける必要性を情報提供することもありますし、実際に書類作成を頼まれることがけっこう多くあります。

 

この場合、行政書士をもっていないと、行政書士の業務部分については、行政書士を紹介することになります。

自分が行政書士資格を併せて持っていると、自分でその業務を受けることが出来、収入に貢献します。

 

逆のパターンもあります。

 

行政書士は中小企業から、補助金活用相談などから事業計画策定支援を依頼されたりします。もちろん、コンサルティングは中小企業診断士の独占業務ではないので、行政書士はこれについて業務を行うことは可能です。

 

しかしながら、「事業計画」は一定の策定プロセスというものがあり、単純に「文書作成」ではありません。

 

企業の本当の事業計画であり、補助金活用もさることながら、事業の行く末を決める羅針盤になるものです。

 

結論として、行政書士も他のコンサルタントに外注することも多いようです。

 

このことから、お互いに仕事のニーズがあっても、他の士業に外注しなくてはならないという、少しもったいないことになります。

 

行政書士と中小企業診断士のスキルは組み合わせが良いです。

ぜひ、検討して、自分のスキルアップに繋げましょう。

 

最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。

 

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