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行政書士に相性の良いダブルライセンスは何?
今回はシンプルにこの疑問について回答していきます。
けっこう、ダブルライセンスについての解説は溢れていますよね。
ただ、相性の良いライセンスの紹介はあっても、具体的にどの様に活用出来そうなのか?というポイントが、イマイチしっくりと来ないんですよね。
もっと言うと、「どのように仕事の獲得をしていくのか?」のイメージが湧かないんですよね。
今回は、そのあたりを掘り下げていこうと思います。
最後まで読んでいただくと、行政書士が、他に何の資格を取得すると、どんなメリットがあるのかが分かります。
よろしくお願いします。
行政書士の業務の復習
もう、言わずもがなと思いますが、行政書士と相性の良いダブルライセンスについて触れる前に、行政書士の仕事について、おさらいをしていきたいと思います。
行政書士の仕事は、大きく区分すると
- 官公署に提出する書類の作成とその代理、相談業務
- 権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務
- 事実証明に関する書類の作成とその代理、相談業務
の3つになります。
で、この業務について報酬を得ることができます。
これを、独占業務と呼びます。独占業務についてはこちらの記事を参考にして下さい。
行政書士の仕事を平たく言うと、行政に出す文書や契約書などの作成によって報酬を得ることが出来る資格ですね。
行政書士の業務を基軸(スタートライン)として、他資格の業務を一連の業務の流れの中で組み合わせることにより、仕事の幅が増えるというイメージが大事です。
行政書士と中小企業診断士
中小企業診断士との相性について
行政書士は、経営コンサルティングとの連携に、思いのほか相性が良いです。
経営コンサルティングは、中小企業診断士の主戦場(フィールド)になります。
中小企業診断士の仕事をざっくり紹介すると、中小企業の課題解決に対してアドバイスを行ったり、経営計画を作成したりすることです。
行政書士と中小企業診断士の組み合わせによる仕事例を紹介していきます。
例えば、会社の設立に対する相談依頼があったとします。
その場合に、中小企業診断士が創業計画の策定支援や借入など金融相談を行い、会社設立の準備が整ったところで、行政書士が会社設立に関する書類を作成します。(会社登記業務は司法書士の業務になります)
一連に流れにすると、
- 創業相談(中小企業診断士業務)
- 金融相談(中小企業診断士業務)
- 事業計画策定(中小企業診断士業務)
- 会社設立書類作成(行政書士業務)
こんな感じです。
また、この例は創業を例に挙げていますが、経営コンサルティングに係り、企業が行政に書類を作成して提出する機会はけっこうあります。
このように、経営コンサルティング+行政書士の組み合わせは、相性が良いです。
行政書士と社会保険労務士
次に行政書士と相性の良い資格として紹介するのは社会保険労務士です。
社会保険労務士の合格率
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
H21 | 52,983 | 4,019 | 7.6 |
H22 | 55,445 | 4,790 | 8.6 |
H23 | 53,392 | 3,855 | 7.2 |
H24 | 51,960 | 3,650 | 7.0 |
H25 | 49,292 | 2,666 | 5.4 |
H26 | 44,546 | 4,156 | 9.3 |
H27 | 40,712 | 1,051 | 2.6 |
H28 | 39,972 | 1,770 | 4.4 |
H29 | 38,685 | 2,613 | 6.8 |
H30 | 38,685 | 2,413 | 6.3 |
R1 | 38,428 | 2,525 | 6.6 |
社会保険労務士の合格率は過去11年で6.5%程度となっております。
社会保険労務士との相性について
社会保険労務士の仕事は、企業の労務や社会保険に関する手続きやコンサルティングを事業主に代わって行うことです。
今度は、行政書士の業務から始まるパターンで事例紹介します。
引き続き、会社設立の例で説明します。
会社設立の書類作成を行い、会社が設立されたと仮定します。会社を設立し、従業員を雇うと、労働保険や社会保険に加入しなくてはなりません。
労働保険に関しては、雇用保険と労災保険に加入しなくてはならず、雇用保険に関しては、従業員の就職退職に伴い、都度手続きをしなくてはなりません。雇用保険料の計算・支払い業務も出てきます。社会保険も然りです。
これらの仕事を独占業務として行えるのが社会保険労務士になります。
- 会社設立書類作成(行政書士業務)※登記は司法書士業務です。
- 労働保険・社会保険の相談・書類作成・手続き・計算(社会保険労務士業務)
- 就業規則の策定等(社会保険労務士業務)
と一連で仕事を受注出来ます。
クライアントとしても、同じ専門家に一括で仕事を頼めるというメリットがあるのです。
建設業経理士(2級)と行政書士
建設業経理士とは、建設業に特化した経理スキルを認定する資格です。
建設業計理士(2級)の合格率
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
2014.3 | 7,025 | 3,399 | 48.38 |
2014.9 | 6,729 | 2,342 | 34.80 |
2015.3 | 7,623 | 2,676 | 35.10 |
2015.9 | 8,300 | 2,559 | 30.83 |
2016.3 | 8,302 | 3,193 | 38.46 |
2016.9 | 8,343 | 4,241 | 50.83 |
2017.3 | 8,196 | 2,781 | 33.93 |
2017.9 | 8,616 | 3,206 | 37.21 |
2018.3 | 8,709 | 3,895 | 44.72 |
2018.9 | 7,884 | 2,655 | 33.68 |
2019.3 | 8,623 | 2,655 | 30.79 |
2019.9 | 8,635 | 3,578 | 41.44 |
平均の合格率は38.8%です。
建設業計理士は1級まであり、欲を言えば1級まで取得しておきたいところですが、一応、2級でも十分評価は高いです。
建設業計理士(2級)との相性について
行政書士の「事実証明に関する書類の作成」の中に経理代行という業務があります。
経理代行とは、会社の経理の記帳を代行するという業務になります。
建設業には、建設業許可申請、更新申請という許可申請や、国、地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする場合には「経営事項審査」という必ず受けなければならない審査等の業務があります。
これらの書類作成を行うのが行政書士になります。
日頃から、建設業経理士として経理代行を行っていれば、これらの業務を依頼する時に、どの行政書士にしようか?と迷うことは、まず無いと思います。
このパターンでも、一連の流れで仕事を請け負うことが出来ます。
ダブルライセンスのメリット
ダブルライセンスのメリットは仕事の幅を広げることが出来る点にあります。
なので、受注パターンをいかに多く持っているかが売上のアップの秘訣です。
なので、ダブルライセンスのメリットを考える時には、自分の強み(得意な部分)を活かしつつ、いかに一連の流れで仕事を受注できるか?という視点で考えると、ビジネスチャンスが見つかります。
今回の例を参考に、いくつか検討してみることをおすすめします。
そのうえで、効果的なダブルライセンスを選択して、アビリティアップを高めていくことをおすすめします。