こんにちは。TADです。
アビリティマッピングの記事に興味を持っていただき、ありがとうございます。
さて、今日は、
「中小企業診断士は食えない資格」という真相に迫ってみたいと思います。
この記事は、ピンポイントで、
独立したいけど、食えない資格と言われている中小企業診断士を目指すかどうか迷っている人
向けです。
みなさんは、この「中小企業診断士は食えない」という噂を、どのように解釈していますか?
A.本当に食えない
B.「食えない」は、ほぼ都市伝説
C. 食えている人と、食べることの出来ない人がいる
D. 食えると信じたい
E. 企業内診断士と年収はほぼ同じ。なら独立する必要無し。
診断士試験の様に五択にしてみました。(笑)
では、さっそく真相について、検証していきます。
独占業務がないから?
まずは、なんといってもこれですね。
ご存じ、中小企業診断士には、独占業務が無いということですね。
独占業務については、こちらの記事を参考にどうぞ。
![](http://www.abilitymapping.com/wp-content/uploads/2020/01/分類①-160x160.jpg)
独占業務は確かにありませんが、名称独占資格ではあります。
これは、現場の肌感として、とても大きいと感じています。
上から下まで、経営コンサルタントと名乗る方は多数います。
しかし、経営コンサルタントと名乗るには、それなりの「証」が必要と思います。
ここでいう僕の「証」の言葉の定義は、
「名刺を渡した段階で、経営コンサルタントとして認識してもらえるかどうか」ということとします。
何をもって、経営コンサルタントと言えるかということです。
・お金を稼いでいるから?
・実績があるから?
・ノウハウがあるから?
・発信力があるから?
・他の資格を持っているから?
全部正解と思いますが、、、
、、、が、しかしです。
この考え方だと経営コンサルタントとして認めるかどうかの物差しは属人的です。
例えば、
Aさんは、Zをコンサルタントとして認めるが、
Bさんは、Zをコンサルタントとは認めないということもあり得ます。
中小企業診断士は、国が唯一認める経営コンサルタントです。
「唯一」です。
中小企業診断士の名刺には、「経済産業大臣登録」というフレーズが入っていることも多いです。
なので、中小企業診断士が経営コンサルタントでは無い。という理屈は逆に成り立ちません。
「中小企業診断士は経営コンサルタントでは無い」という理屈こそ、属人的な考えと僕は思います。
現場の実感として、「中小企業診断士です。」と名乗ることにおいて、ある程度の信頼感は得られます。
実感として、真実です。
僕は、やっぱり日本においては、国の権威というものは一定程度、信用があるなぁと感じています。
では次に、中小企業診断士の評価についてはどうなのかを考察します。
資格の評価は高い
中小企業診断士の評価は高いです。
中小企業診断士は、「第5回 取得したい資格ランキング – 日経キャリアNET – 日本経済新聞」で、
ビジネスマンが一番取得したいと思っている資格の第1位となりました。
言うまでもありませんが、僕は日本経済新聞の購読層はある程度の知見が高い層だと思っています。
このことからも、ハイクラスのビジネスマンからの評価が高い資格といえるでしょう。
もう一つの論点です。
これから、AIによって士業の業務も代替されていくと思われますが、
2015年12月に公表された、野村総研とオックスフォード大学(イギリス)との共同研究による「10〜20年後に、AIによって自動化できるであろう技術的な可能性」によると、中小企業診断士は最も代替が効かない資格と予想されています。
AI代替可能性 | |
弁護士 | 1.40% |
司法書士 | 78.00% |
弁理士 | 92.10% |
行政書士 | 93.10% |
公認会計士 | 85.90% |
税理士 | 92.50% |
社会保険労務士 | 79.70% |
中小企業診断士 | 0.20% |
引用:野村総研とオックスフォード大学(イギリス)との共同研究による「10〜20年後に、AIによって自動化できるであろう技術的な可能性」
つまり、独占業務を持っていても、AIに代替えされてしまえば、その業務のニーズは縮小していくこととなります。
残った牌の奪い合いになる「レッドオーシャン化」も懸念されます。
中小企業診断士は、独占業務は無いものの、定型的な業務も無いことから、AIにとって変わられることもすぐには無いと言えると思います。
なので、独占業務が無いからと言って、一概に「食えない」という主張には違和感があります。
中小企業診断士の年収
では、中小企業診断士の年収を見てみましょう。
下の図は、中小企業診断士協会が会員に調査した中小企業診断士の年収に関するアンケート結果です。
回答数 | 構成比(%) | |
100万円以内 | 113 | 9.36 |
101~200万円以内 | 91 | 7.54 |
201~300万円以内 | 98 | 8.12 |
301~400万円以内 | 90 | 7.46 |
401~500万円以内 | 100 | 8.29 |
501~800万円以内 | 236 | 19.55 |
801~1,000万円以内 | 161 | 13.34 |
1,001~1,500万円以内 | 177 | 14.66 |
1,501~2,000万円以内 | 73 | 6.05 |
2,001~2,500万円以内 | 25 | 2.07 |
2,501~3,000万円以内 | 18 | 1.49 |
3,001万円以上 | 25 | 2.07 |
有効回答数 | 1,207 | 100 |
引用:中小企業診断士協会 データーで見る中小企業診断士
この結果によると、3,001万円以上を除いた平均年収は739.3万円となっております。
うーん、食えないってレベルではないですね。
※高齢の診断士は、どうしても年収は低くなってくるようです。
収入のデータからも、「食えない」という結論には、直接結びつかないですね。
確かに、僕の知人友人内でも、「食えていない」という方は、見当たりません。
「中小企業診断士は食えない資格」の真相
僕の一つの結論は、こうです。
中小企業診断士資格は、「独占業務が無いから、安定はしない。」
ということでは無いでしょうか。
これなら、僕はしっくり来ます。
また、こうも言えるでしょう。
「独占業務が無いから、独立には勇気がいる」と。
しかし、独占業務があるから、倒産しない。とも言えません。
なぜなら、僕の元にも、独占業務を持つ業種の方が相談に来ます。
つまるところ、何の業種であっても
「経営戦略を無視し、マーケティングを行わずに、生き残ることは出来ない時代である」ということは言えると思います。
そこに気づいているビジネスマンは、生き残る知識や知恵としても中小企業診断士の学習は魅力的と感じているのだと思います。
中小企業診断士は、「独占業務が無いから食えない」ということは、無いようです。
マーケティングと実力次第ですね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。